皆さんは右の姿勢を見てどう思われるでしょうか?
- 首が前?
- 肩がすくめている?
- 目線が下?
- お腹が出ている?
- 足が前に乗っている?
- 背骨が硬い?
- 骨盤の動きが悪い?
- 猫背?
- 姿勢悪い。肩凝りそう。
など色々見方はありますが、全部正解です。
では何を持って姿勢が悪いのでしょうか?下記の絵を見てください。
重心の流れが書いてあります。
この線から逸脱したものが『ズレ』と言い、これが姿勢の悪さに直結していきます。皆さんはこれらの重心線からはみ出していませんか?
耳たぶ→ 肩の横→ 大転子→ 膝のお皿の裏→ くるぶしの少し前
これが正しいラインになります。横から見た際にこの線が一直線になっていると姿勢がキレイ。横から見た際にこの線がずれていると姿勢がワルイ。になります。
だったらキレイに胸を張ったら大丈夫だ!!!と思われている方は大きな間違いを犯しています。
この画像の真ん中は胸を張る動きをするとその代償で腰をそる動きが身体の構造上出てきます。
そうすると腰辺りの筋肉が固まり続けるので腰痛を引き起こしてしまいます。また、常に力が入った身体の癖を作ってしまうので自律神経を乱しやすくなり、慢性疲労や免疫力の低下を招きやすくなるのです。
猫背は良くなるの?
猫背って治らないんですよね?
あなたのその訴え、「何が原因なのか」わかりますか?
患者様の中にも猫背で悩んでおられる方は多くみられます。中でも猫背は昔からだから治らないと思い込んでいる方もおられます。
結論から言いますと、猫背は良くなります。
もちろん仕事や生活の中での意識やセルフケアも大切になってきますが。。。
簡単な猫背のチェック方法を紹介
まず壁に背中をつけて立ち、頭と腕の位置をチェックしてみて下さい。
- 腕を水平に開いたとき、頭と腕が壁についた方→猫背ではない
- 腕を水平に開いたとき、頭と腕の両方、またはどちらかが壁から離れた方→猫背傾向
この際、頑張って腕と頭をつけようとして、顎が上がっていたり、腰が反りすぎていないか注意して下さい。そのような動きが出る方も猫背の傾向があります。では少し難しい言葉も出てきますが、猫背とは細かく説明するとどういう姿勢の状態になっているのでしょう?
猫背とは主に4つの歪みによって生じています。
- 頭部前方変位→頭の位置が前に出ている。
- 上部胸椎の屈曲→胸の背骨である胸椎の丸まりが強くなる。
- 上部肋骨の下垂→肋骨の位置が下に下りみぞおちが縮んでいる。
- 肩甲骨の外転→肩甲骨が外に広がり、肩が内側へ巻いてくる。
このように、猫背は運動が連鎖していく影響によって、頭部、頸部、胸郭、肩甲骨、肩などが全部歪んでしましい、複合的にみられている状態です。よって、猫背を改善していくためには、これら一部分にだけアプローチするのではなく、全体にアプローチしていかなければ、効果が出にくいと言えます。
では次に、猫背姿勢になってしまう原因について解説して行きます。
①インナーマッスル弱化により骨格ラインを保つ事ができない。
インナーマッスルという言葉は最近よく耳にするかもしれませんが、身体の深層にある筋肉の総称で主に姿勢を細かく調節したり、関節の位置を正常に保ったりする働きをしています。
このインナーマッスルが正しく機能しなくなると、重力に対して、骨格をいい位置であるニュートラルポジションに保つ事ができなくなり、歪みが生じてしまいます。
②長くなっている筋、短くなっている筋など筋肉の長さにアンバランスが生じている。
猫背姿勢になってしまう事で、ある筋肉は伸ばされた状態、ある筋肉は短くなった状態で硬くなってしまっています。よってしっかりと正しい長さの筋肉へと戻していく必要があります。
③胸郭の可動性低下により、歪みが固定されている。
胸郭は心臓や肺などの臓器の保護であったり、頭や腕を支える構造的な土台となっており、元々固くなりやすい部位です。胸郭の可動性が低下すると、その代償として首、肩、腰などが変わりに過剰に動かないといけないようになり、痛みを引き起こしてしまうケースが多いです。
④デスクワークなどの環境の要因
長時間デスクに向かって座っている時間が長くなると、どうしても背中の力が抜けて丸くなってしまいます。そうしてその姿勢が癖になってしまうと、立った時も頭が前に出て、肩甲骨が広がり、背中が丸くなってしまった猫背姿勢が出来上がってしまいます。
根本から改善するために必要なこと
- 重心位置を整える
- 骨盤、特に仙骨の位置を改善していく
- お腹の腹圧を高める = インナーマッスルを高める
- 軸周りの筋肉の再教育
- 呼吸を深く、整える
- 正しく、効率のいい身体の使い方をしてあげる
- 上肢の土台の肩甲骨、下半身の土台骨盤を整える
- 治りたい意思を持つ。なぜ治したいのか明確な目標、ゴールを作る。これがないと良くなってもスピードがかなり落ちます。
- 自律神経に対してのアプローチ
そもそも猫背になるのは重心位置がどうなっているかがポイントになります。
ここが崩れると木の根っこと一緒です。土台が斜めになってしまうと木も倒れてしまいますよね?人間も同じく倒れてしまいます。木の根っこは人間の足よりもはるかに多くしっかり極太です。
ただ、人間は二足歩行です。2点でしか支えれないので、どちらかにずれてしまうと身体は支えれないんですよね。支えれない分、上半身でバランスを保ち歪ませて行きます。そうすると力みが入るので肩こり、腰痛、首こり、頭痛、しびれ、噛み締めなどなど色んな症状を招きます。
姿勢を良くすることは、QOL(クオリティーオブライフ)を向上させるだけなく、あらゆる疾患や症状の予防が期待できるのです。