来歴
普段の活動
現在は大学で教育と研究に携わっております。その他、臨床指導や講習会などでの講演などをしております。
この業界の問題・課題点
言語聴覚士はまだ人数も少なく、、認知度も高くない職業です。養成校は増えていますが、現場は経験の浅いSTが多く、臨床スキルの向上に苦労している現状は否めません。また、医療や介護の現場でのSTという職業のアイデンティティ確立が曖昧になっているのではないかと懸念しています。
今の仕事を選んだきっかけ
幼い頃から朗読や発表の際に「言葉が声に乗って伝わる」ことの心地よさに目覚め、大卒後話す仕事をめざしました。地方局でラジオのレポーターをする中で、相手の思いを伝えることつまりコミュニケーションをお手伝いすることをもっと勉強して、誰かの役に立ちたいと思い、ちょうどその時に雑誌でこの仕事を見つけて養成校に入りました。
そこからなぜ、専門分野を学び始めたか
成人のリハビリテーション病院に異動した時に、PT/OT/STが患者さんに全人的にアプローチをしている様をみて、私も患者さんを治療できるセラピストになりたいと強く思ったことがきっかけで、発声発語と摂食嚥下に対しての運動学的アプローチを学び始めました。
その道を選んで苦労したこと、逆に楽しかったこと、感動したこと
やはり自分の専門性や強みを探して模索し続けた(今もですが)道のりは、今思えばありがたい苦労なのだと思います。辛かったのはやはり患者さんが亡くなった時です。一人ST室で泣いているのを上司に見つかったことがあります。楽しかったこともやはり自分の道を探してきた道のりです。感動したのは患者さんからの「ありがとう」の言葉達です。全失語の患者さんが麻痺している手のひらを広げると、マジックで「ありがとう」と書いてあったこともあります。
この業界の役割・使命、また今後の計画は
従来の枠組みにとらわれず、新しい可能性を見つけて繋ぐ者としての使命。これからはそれを、より広く、より親密に伝えるインフルエンサーとして働きます。
ターニングポイントと感じる出来事
目の前で患者さんが変わる、素晴らしい治療を見せていただいた衝撃のあの日です。成人の病院に移って自分のいる意味のようなものについて悩んでいた時でした。担当患者さんの治療デモンストレーションをPTの某先生がいらしてやってくださって、患者さんがどんどん変わっていって、次の日も般化していた様をみて、もう逃げられない、私も求めて進まなければと腹をくくった気がします。
望む業界の未来
量と質の融合したプロフェッショナルの和の業界。
仕事以外の時間の過ごし方
好奇心が旺盛なのでいろんな趣味を楽しんでいます。好きなアーチストのライブは欠かせませんし、家ではイングリッシュローズという品種を中心にバラを育てています。そして東京都多摩地域で最期まで口から食べることを支援する地域食支援の会「いただきますの会」を立ち上げて活動しています。
人をみるとは
「この人のことを知りたい」ということです。人は一人ではなく「その人も誰かの大切な人」としてミテいます。