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・側臥位バージョン
スタートポジションでは、頸椎と頭部が胸椎の延長上に来るように、枕やタオルなどで頭の高さを調整する。下側の脚の股関節と膝は曲げておき、側臥位でのバランスを取りやすくする。上下のASISを結んだラインが床と垂直になるよう、腹部の力を使って左右の脇腹の長さを等しくしておく。エクササイズを通して、上側の脚の高さを骨盤幅で一定に保つための、中臀筋の働きが要求される。股関節を屈曲する場合、ハムストリングの硬さに応じて膝は曲げてもよいが、下腿は床と並行を保ち回旋させないこと。股関節屈曲時には、骨盤が後傾し腰椎が後弯しやすく、股関節伸展時には骨盤が前傾し腰椎が伸展しやすい。骨盤や脊柱の動きは最小限に留めた中で、股関節からの動きを行うことを意識する。そのため、屈曲時には「坐骨を開く」、「坐骨を坐骨棘の延長線上に突き出す」ようなイメージを持ち、また伸展時には、後ろへ大きくあげようとせずに、臀筋の力で股関節の前側を伸ばし、爪先を頭から遠く遠ざけることを意識する。伸展時は可 動域を出すために、やや外旋させてもよいが、骨盤、脊柱の安定が保たれる範囲とする。
・立位バージョン
片足をやや高さのあるものの上において立つ。やや不安定なものの上に立つとバランス力のチャレンジとなる。軸足の土踏まずを引き上げて、その真上に立ち、骨盤が横流れしないように、股 関節内外転筋をバランスよく使い骨盤を安定させる。「骨盤底筋を少しつまみ上げるような感 覚」「つむじが天井へ近づくような意識」を持って、脇腹を長くして準備する。 股関節屈曲時は、「頭が天井方向に引っ張られながら、坐骨を床へ突き刺す」「軸足は床方向を しっかりと押す」イメージを持つと、支えている軸足、体幹が安定する。股関節伸展時は、「後 方へ伸展させる脚の爪先とつむじが互いに引っ張り合っている感覚」を持つことで、長いライン を作り、骨盤の前傾を防ぐ。いずれも、股関節からの動きを促し、腰椎への負担をかけずに可動 域を改善するために有用なイメージである。軸足の股関節の安定が特に大事な要素であることも同時に学習できる。
★側臥位、立位のバージョンともに、股関節からの動きにフォーカスをおいている。股関節から の動きと軸足の安定性が学習できたら、上肢の動きと胸椎~頸椎の回旋を一緒に行った機能的 な動きにチャレンジする。サッカー選手の怪我の防止とパフォーマンス向上には最適なリハビリ である。
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治療家にとって絶対的に必要な根本理論
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